東京意匠
写真展 2012年10月4日〜10日(アイデムフォトギャラリー シリウス) 京都写真美術館のアーカイブスに収蔵されています。
東京の街角には色々な“もの”が棲み、異彩あふれる街の意匠となっている。
象、古代南米の神、瞑想する老人、ロボット、鉄瓶、バイオリンを弾く人形、壁になった猫、河童、ノラクロ、ゴム怪獣、骸骨、天使、頭が馬で体が人間の生き物、波平さん、など実に様々である。
ビルの上に潜んでいる象は24時間眠らずに何を見ているのだろうか?
古代ギリシャの柱の横に鎮座している南米の神の像は今の日本の街を守っているのだろうか?
瞑想する老人は風雨に打たれて何を悟ったのだろうか?
ロボットは重なり合って子供たちを見守り、捨てられ打ち置かれた猫もどっこい生きている。波平さんも元気に雨の日も風の日も毎日歩いている。
このように人の想いが錯綜する、カオスのような街であるが、その街の表情の中に、そこに住んでいる人のおおらさ、豊かな営み、洒落、さらには思い煩うことへの嘲笑すら見て取ることができる。その根底には生きるエネルギーが満ち満ちている。この生命力が街の成長を支える源であるのかもしれない。
この写真展は夏に出版した写真集東京変奏曲の一部を中心にして構成しました。